25歳から年収の15%を投資した場合、40年後に損失を出す可能性はほぼ0%

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時間こそがリスクに対する最高の特効薬だ

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  • ある調査によると、25歳から40年間、毎年年収の15%を投資に回した場合、初期投資額の3倍の収益得られる確率は95%を超えることがわかった。
  • また、その調査では、株式市場へ投資した人が初期投資を失うケースは、1万とおりのシミュレーションで1件もなかったという。
  • これはもちろん未来を保証するわけではない。だが、それでも長期的に見た場合、株式に投資する価値はかなり高いと言えるだろう。

いまだリスクを恐れて株式投資を避ける人は多い。しかし、パーソナルファイナンス情報サイト「ナードウォレット(NerdWallet)」が行なった投資リスクの分析によると、そのような恐れを抱く必要はなさそうだ。

ナードウォレットは過去のS&P 500および米国債の収益データとその変動性(リスク)にもとづいてモンテカルロ法という一般的なリスク・シミュレーションを行ない、投資家に起こると想定される1万とおりの結果を計算してみた。

シミュレーション結果は?

25歳で初の年収として4万456ドル(約600万円)を稼ぎ、40年にわたって毎年(インフレ率を考慮して)年収の15%を貯蓄に回した場合、最低でも初期投資額が維持される確率は99%を超える(これは従来の預金口座を使った場合も同じ)。

だが、投資をした場合は初期投資額の3倍の収益を得られる確率が95%を超える。従来の預金では3%にも満たない。

また、株式市場へ投資した人が初期投資を失うケースは、1万とおりのシミュレーションで1件もなかった。

一文なしになるのが怖い?

この調査で行なわれた1万とおりのシミュレーションで、架空の投資家が初期投資額を失ったケースはひとつもなかった。では、成長の可能性は? 下のグラフは、56万3436ドル(約8450万円)の投資が少なくとも167万ドル(約2億5000万円)、314万ドル(約4億7100万円)、495万ドル(約7億4250万円)、あるいは799万ドル(約11億9850万円)になる確率を示している。

算出方法:40年間の投資後に4つの指標額を達成する確率を、1976年から2016年にかけてのS&P 500リターンの幾何平均と過去の標準偏差を用いた1万とおりのモンテカルロ・シミュレーションにもとづいて算出。金額はインフレ調整されておらず、S&P 500のリターンは投資手数料で減額されている。初年度の収入が4万0456ドルで、毎年のインフレ率を考慮し、年収の15%を投資した場合、総投資額は56万3436ドルとなる。過去のパフォーマンスは将来の収益を保証するものではない。

ナードウォレットの投資および退職のスペシャリストであるアリエル・オシア氏はBusiness Insiderに、「この分析は、投資家が長期的な投資戦略を守り続ける限り、たとえ大幅な景気後退を経験しても、その影響さえも克服できることを示している」と語った。

株式投資を避けた場合には機会費用が発生する。ナードウォレットによると、その額は40年で330万ドル(約4億9500万円)にもなる可能性がある。また40年間、複利による恩恵も得られない。そのため、まったく投資しないことのほうが、リスクが大きいと言える。

ナードウォレットが強調するように、市場における過去のパフォーマンスが今後も平均10%のリターンが得られることを保証するわけではないが、それでも長期的に見た場合、株式に投資する価値はかなり高いと言えるだろう。

20代で投資を始めた場合、その額に関係なくふたつのことが起こる。複利の恩恵が得られ、株式市場が低迷しても、時間とともに回復する。

ただし、ナードウォレットのシミュレーション結果は、低コスト・インデックスファンドや上場投資信託(ETF)などを含めた株式の分散化に依存していることには注目する必要がある。また、ここで挙げた数字はインフレ調整されていないが、0.70%の投資手数料は計算に含まれている。

「シミュレーション結果は説得力があり、投資家の不安を払拭するものだ」とオシア氏は言う。「どんな波が来ても、投資を続ける意志さえあればいいのだから」

※本記事の原文は、2017年8月1日に公開されたものです。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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