「HELP」サインを作るだけじゃない! サバイバルの専門家に聞いた、救助してもらうためにやるべきこと

見つかった遭難者

「助けて」

US NAVY/Reuters

  • 太平洋の島に取り残された3人の男性が、ヤシの葉で「HELP(助けて)」のサインを作って救出された。
  • 遭難信号を送るには3つの火をつけるのも効果的な方法だとサバイバルの専門家は話している。
  • 男性たちの対応は素晴らしかったとした上で、重要なのは創造性を発揮し、シグナルを送る方法を見つけることだと言う。

4月初め、太平洋の島に取り残された3人の船員が浜辺にヤシの葉を並べて大きな「HELP」のサインを作り、救助された —— まるで映画のように。

3人はいずれも40代の男性で、3月31日にミクロネシア連邦の小さな珊瑚礁の島プロワット環礁を全長20フィート(約6メートル)の小型モーターボートで出発した。約1週間後の4月6日、親族が行方不明届を出していた。

その後、米沿岸警備隊と米海軍の協力の下、4月9日に出発地点から160キロ以上離れたピケロット環礁で3人は救出された。

「発見してほしいという彼らの意志の驚くべき証として、船員たちは浜辺にヤシの葉を使って『HELP』と綴った。この創意工夫が救助隊を彼らの居場所に導く上で極めて重要だった」と沿岸警備隊の捜索救助活動の責任者はコメントした。

3人を発見したのは、米海軍のP-8「ポセイドン」だった。 沿岸警備隊の小型船「オリバー・ヘンリー」が男性たちを救助するためにピケロット環礁に向かう間、ポセイドンはサバイバル・パッケージを投下した。

サバイバルの専門家はBusiness Insiderの取材に対し、男性たちがシグナルを作ったのは賢い行動だったとした上で、自分が遭難していることを示すには、もっと効果的な方法があるかもしれないと語った。

万国共通「3のルール」

ボルダー・アウトドア・サバイバル・スクールのサバイバル・コンサルタントで指導者のキャット・ビグニー(Cat Bigney)氏は、救助隊に見つけてもらうための最善の方法は、火を起こすことだと話している。大きな煙は遠くからでも見えるからだ。

そして、火は1つでなく、3つが理想的だという。3つの火、3つの警笛、3つの銃声など、どんなものでも「3つ」が世界共通の遭難のシグナルとされている。

ビグニー氏によれば、3つの火を連続して起こすのが最も効果的で、煙がもくもくと立ち上ることで誰の目にも"助けが必要"という合図になるという。

緑色の植物や湿った木の枝など「煙をたくさん出しそうなもの」を使って火を起こすといいと、同氏は話している。

状況にもよるが、準備をしておいて、火をつけるのは飛行機や船が見えるまで待った方が、救助隊が近くに来た時に見つけてもらいやすいかもしれない。

そして、火よりもコントラストを使ってシグナルを作るのが理想的だとビグニー氏は言う。つまり、ピケロット環礁に取り残された男性たちの場合、真っ白な砂にヤシの葉という組み合わせが遠くからでも見つけやすいコントラストを作り出していたのかもしれない。

また、一般的には「HELP」といったメッセージよりも「SOS」と綴ることが推奨されている。「SOS」なら上下関係なく読み取れるからだ。

「今回、彼らがやったことはうまくいきました。重要なのは創造的であること、そして何かをすることです」とビグニー氏は語った。

沿岸警備隊によると、ボートが破損し、島に取り残されている間、男性たちは食料と水を手に入れることができたという。ビグニー氏は、今回は必ずしも"最も悲惨な状況"ではなかったが、人によっては絶え間なく襲ってくるスナノミや近くにいる肉食動物のような他の要因によって、物事をきちんと考えることが難しくなることもあるだろうと話した。

「彼らはよくやりました。助けを求めて、合図を送ろうと考えたのです。どんな状況でも、心理戦になることは少なくありません」

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