脂肪を減らして筋肉をつけるために必要なのは「高タンパク食」「筋トレ」「睡眠」

※本記事は、2022年12月10日に公開した記事の再掲です。

筋トレ

「ボディ・リコンポジション」には筋トレが重要だ。

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  • 脂肪を落としながら筋肉を増やす「ボディ・リコンポジション」を達成するのは難しい。
  • 高タンパク食品を摂取しながら「カロリー不足」の状態を保ち、筋トレを行い、十分な睡眠を取ることが必要だ。
  • 筋トレに慣れていない人は、リコンポジションを達成しやすいと専門家はInsiderに語った。

脂肪を減らしながら筋肉をつける「ボディ・リコンポジション(体組成の再構成)」を達成するために何をすべきなのか、パーソナルトレーナーが詳しく説明してくれた。

一般的に脂肪を減らすには、消費カロリーよりも摂取カロリーを減らして「カロリー不足」の状態にしなくてはならない。一方、筋肉をつける場合は摂取カロリーの方を多くしなくてはならない。

RP Strengthを創設したパーソナルトレーナーで、クロスフィット大会の公式栄養指導コーチも務めるニック・ショー(Nick Shaw)によると、次のような状況であれば、ボディ・リコンポジションはより簡単に達成しやすいという。

  • 筋トレを始めたばかり。
  • 筋トレを中断していたが、再開した。
  • カロリーやタンパク質を適切に摂取するために食生活を初めて見直した。

ショーがInsiderに語ったところによると、ボディ・リコンポジションを達成するにはコツが必要で、それは「一般的ではない」という。

さらに遺伝、社会経済状況、精神衛生といった潜在的な障壁のため、人によってはいっそう達成困難かもしれないとM2 Performance Nutritionの創設者であるマイク・モロイ(Mike Molloy)医師も述べている。しかし、脂肪を減らしながら筋肉を増やすことは、理論的には誰にでも可能だ。

ここではパーソナルトレーナーが語った、ボディ・リコンポジションを達成するためにやるべきことを紹介する。

高タンパク食品を摂取する

高タンパク食品を摂取しつつ若干カロリー不足の状態にすることで、筋肉を保ちながら、あるいは育てながら脂肪を減らす可能性が高くなることが研究で示唆されている。しかし、摂取カロリーを減らし過ぎると、筋肉まで失いやすいので注意しなければならないと、Ultimate Performance Personal Trainingの認定パーソナルトレーナー、エミリー・サーバンテ(Emily Servante)は、以前Insiderに語っていた。

2016年に発表された研究によると、筋トレと高強度インターバルトレーニング(高い強度の短時間の運動を休憩をはさみながら繰り返すこと)を行いながら、より多くのタンパク質を摂取した男性は、より多くの脂肪を落とし、除脂肪体重(体重から脂肪量を除いた重さ)が増えたことが明らかになった。

また、女性を対象とした2018年の研究では、筋トレをしながら高タンパク食品を食べた人は、タンパク質の摂取量が少なかった人よりも脂肪が減り、筋肉が増えたことが明らかになった。

タンパク質は、筋肉がトレーニングから回復するのを助け、満腹感を持続させる。また、炭水化物や脂肪よりも食事誘発性熱産生効果が高い。つまり、消化するためにより多くのエネルギーが消費されるのだ。

2022年9月4日付けでSports Medicine Openに掲載されたメタ分析の論文によると、筋力の向上を最大化するには、体重1キログラムあたり少なくとも1.5グラムのタンパク質を毎日食べればいいということが明らかになった

筋力トレーニングが重要

体組成を変える鍵となるのは筋力トレーニングだ。

「ほとんどの人はリコンポジションしようとするときに減量のことしか考えない」とモロイは言う。

「しかし、それと同様に、あるいはそれ以上の熱意を筋肉をつけることに投入しなくてはいけない」

モロイによると、有酸素運動は健康全般にとって多くの利点があり、どんなタイプのエクササイズでもカロリーを消費するが、脂肪減少にとって必須ではないという。

2015年に発表されたメタ分析によると、太り過ぎの人の場合、筋トレをした人の方が、有酸素運動をした人よりも脂肪が減ったことが明らかになったという。2021年に発表された別の研究では、筋トレを主に行っている人は、有酸素運動を主に行っている人よりも太りにくいという結果が出ている。これは、筋トレによって、ワークアウトをしているとき以外でも体がより多くのカロリーを消費するようになるからだとモロイは述べている。

ショーは「ボディビルダーのように」トレーニングすることを勧めている。

「ジムではボリュームアップしたトレーニングをしよう」と彼は言う。つまり十分なレップ数、セット数をこなし、ウェイトも上げるということだ。例えば、各エクササイズを挑戦的なウェイトで8~12レップ行うといったことをショーは提案している。

自分自身への挑戦を続け、レップ数やウェイトを徐々に増やしていく漸進性過負荷のトレーニングで筋肉の成長を促すといいだろうと彼は述べた。

十分な睡眠をとりストレスを管理する

モロイによると、適切な食事や筋トレと同様に、回復することも重要だという。

1日8時間の睡眠をとり、ストレスレベルを低く保つことを彼は勧めている。

2004年に発表された研究では、6時間未満の睡眠が2晩続くと、空腹感が25%増し、超高カロリー食品への欲求が33%増すことが示唆された。これは、睡眠不足になるとグレリンという「空腹ホルモン」が増加するためだという。

忍耐も必要だ

ボディ・リコンポジションは素早く進行するプロセスではないので、忍耐が必要だと専門家は述べている。

「減量は極めて速く達成できることもある(激しい「クラッシュ・ダイエット」の普及でそれが証明されている)。しかし筋肉をつけるのは非常に時間がかかり、リコンポジションもそれと同じだ」とパーソナルトレーナーのベン・カーペンター(Ben Carpenter)は以前Insiderで述べていた。

長年ジムに通っている人は、脂肪を減らす時期と筋肉を増強する時期を組み合わせることによって、長期的にはよりよい結果を得られるだろうと、栄養士でフィットネスコーチのライアン・ノートン(Layne Norton)は言う。

「脂肪を減らすのに一番いいのは食べる量を減らすことである一方、筋肉を増やすのに一番いいのは食べる量を増やすことなので、両方を同時にやろうとすると相反することになってしまう」

また、体のどの部分から脂肪を落とすかについては、遺伝に大きく左右されるため、選ぶことはできない。

「体には頑固な部分があり、その部分に負荷をかけてトレーニングをしても、脂肪が落ちるのは最後になることもある」とショーは述べている。

「少しずつ減量し、最終的にはその頑固な脂肪が落ちていくことが理想的だ」

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