昔ながらの腹筋運動は無意味。専門家が勧める腹筋に効くエクササイズ

※本記事は、2018年7月29日に公開した記事の再掲です。

腹筋

昔ながらの腹筋運動は効果がないと専門家たちは語った。

David Goldman/AP

マンハッタンの最先端ジムの有名トレーナーからインディアナポリスにあるNational Institute for Fitness and Sport(NIFS)、アメリカ陸軍の体力テストまで、昔ながらの腹筋運動の評判は落ちる一方。

かつてはトレーニングの基本として欠かせなかった腹筋運動だが、科学的な研究で、ウエストを細くすることもなければ、お腹の脂肪を落とす効果もないことが分かった。また腹筋の強化あるいは柔軟性の維持、長距離走のための体力づくりにも最適な方法ではない

アメリカ陸軍は、体力テストの一つとして数十年間行われてきた「2分間の腹筋運動」を2020年末までに徐々に廃止し、代わりに兵士の戦闘即応力の向上により有効なもの、具体的にはデッドリフト(床に置かれたバーベルを直立姿勢になるまで持ち上げる)、パワースロー(重さ約4kgのボールを背後に向かって遠くまで投げる)、ドラッグ&キャリー(重さ40kgのそりを引っ張った後に、約18kgのダンベルを両手に1個ずつ持って走る)などを採用すると発表した。ワシントン・タイムズが伝えた。

NIFSのトレーナーで、運動生理学者のトニー・マロニー(Tony Maloney)氏は、この変化を歓迎している。

「私は昔ながらの腹筋運動があまり好きではない」と同氏は2018年5月、Business Insiderに語った。

「背中を痛めてしまう可能性があるから。特に不適切な方法で行った場合はなおさら」

専門家が勧める、腹筋をより強く、より柔軟にする9つの方法を見てみよう。


有名フィットネストレーナーのアンナ・カイザー(Anna Kaiser)は、多くの人が昔ながらの腹筋運動(仰向けの状態から上半身を起き上がらせる)を誤った方法で行っており、その方法だとかえってお腹が出てしまうと語った。

アンナ・カイザー

AKT

「(昔ながらの)腹筋運動だと、腹筋を押し出してしまい、下腹部がますます出てしまう」とカイザーは先日、Business Insiderに語った

ポイントは、腹横筋を引き締めることとカイザー。腹横筋とは、胸郭と腰の間にあるインナーマッスルのこと。


鍛えられた腹筋を目指すなら、腹部の奥の筋肉を鍛えなくてはならないとカイザーは語った。下のような運動を試してみよう。

やり方

膝を曲げて座り、足を床にぴったりとつける。両手で膝の裏側をつかみ、腹筋を引いて(お腹を引っ込めて)、骨盤を前に倒す。アルファベットの「C」の形を作るイメージ。

そして両腕を上げて、後ろに引き前後に動かす。


腕立て伏せも、腹部や他の部分に有効な、幅広い効果を持つエクササイズ。

腕立て伏せ

腕立て伏せをするときは、お腹を意識しよう。

Shutterstock

マロニーは、腕立て伏せの効果は絶大と語った。腕から肩、腹筋まで、上半身全体を鍛えることができる。

「上半身を引き締める効果を得ながら、体幹を鍛えることができる」


目指すべきは健康的な腹部、見た目だけではない。「人間は、腹筋がなければ、すぐに倒れてしまう」とマロニーは語った。腹筋は、背骨を安定させるものと考えてほしいと彼は述べた。

プランク

Shutterstock

「従来の腹筋運動には、当然だが動きが伴う。私は動きのない方法が好み。例えば、プランク(体をまっすぐに伸ばし、肘とつま先で支える)がそう」とマロニー。

マロニーは、腹筋を鍛えるには30〜40秒のプランクがお勧めと語った。


フィットネスの専門家がプランクを好む理由はもう1つある。腹部のさまざまな筋肉を同時に鍛えることができる。

プランク

Shutterstock

ニューヨーク大学ランゴンヘルス医学科のシニア運動生理学者、ヘザー・ミルトン(Heather Milton)は2018年1月、プランクは毎日健康に過ごすために必要な力をつけるための確実な方法で、多くの筋肉に効くとBusiness Insiderに語った

「シックスパッド、つまり腹直筋だけでなく、腹横筋と腹斜筋にも効く」


プランクをマスターしたら、片ひじと片脚を同時に持ち上げて、レベルを上げてみよう。「工夫すれば、プランクはもっと楽しく、もっと効果的になる」とマロニーは語った。

プランク

Shutterstock

「片ひじを上げるだけで、体に大きな負荷がかかる」


サイドプランクも効果的。

サイドプランク

Shutterstock

プランクの姿勢は「背骨を固定し、安定させている状態。これこそ、腹筋が行っていること」とマロニー。

お尻を引き締め、片脚を持ち上げてみよう。


本気で見事に割れたシックスパックを目指すなら、バーにぶら下がって脚を持ち上げるレッグレイズがお勧めとミルトン。

レッグレイズ

レッグレイズに挑戦してみよう。

(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

腹筋を引き締め、脚をまっすぐのばしたまま前に持ち上げる。足首には力を入れない。正しくできれば、体が「L」の形になって、ぶら下がっているように見える。

ミルトンは、従来の腹筋よりもレッグレイズを勧めている。その方が背中を痛めないから。


アメリカ代表としてオリンピックに出場し、12個のメダル(そのうち4個は金メダル)を獲得したダラ・トーレスも、ここに登場した専門家と同様に、プランクが腹筋に与える効果を絶賛した。

ダラ・トーレス

Tony Duffy/ ALLSPORT / Getty Images

トーレスはより効果を高めるために、プランクの姿勢を保ったまま、お尻を左右にゆっくり動かすというアレンジを加えている。「腹斜筋に効くので、シックスパッドを目指すなら絶対にお勧め」と彼女は語った


トーレスはまた、仰向けに寝た状態で、フラッターキック(バタ足)やシザーキック(足を交互にクロスする)などを行っている。ただし、背中を痛めないために、両手をお尻の下に入れておくことを忘れないように。

エクササイズ

Shutterstock

「脚を高くあげる必要はない。腹筋に効かなくなる。足を床から15センチくらいの高さに保ってほしい」とトーレス。

そして、お腹はぐっと引き締めておく。


ここで紹介した専門家からのシンプルなアドバイスに従えば、鋼のような腹筋が手に入る。

ダラ・トーレス

ダラ・トーレス。

Gene Kim

背骨もきっと感謝してくれる。

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